「……たい、よう…、」
「…トクベツな存在じゃなくても。
オレはオレで、山吹のそばにいたい。
…オレは、つらい山吹のことを照らせる太陽になるよ」
「……っ、しゅん、くん……」
その言葉により一層涙が溢れた。
「……とりあえず、誰もいないとこ、行こっか…」
「……え?」
ーーー…
手を引いて連れてこられたのは、専門学科がある校舎の方。
「今日、専門学科の方どの学年もクラスも校外学習でいないらしいからさ」
「…そう、なんだ…」
「そうそう。
オレの中学の頃のダチが食品科に通っててさ。
…それに、専門学科の校舎の方にこれば、普通科の奴らに注目はされないだろ」
確かに…。
あんな所じゃ普通科の生徒たちの注目の的になってしまう。
「それに、専門学科には専門学科専用の校門あるし、そっちから帰ろう」
「…え、そうなの?」
「うん。専門学科には専門学科用の校門あるの知らなかった?」
こくりと頷く。
…まあ、確かにいつも通る校門から専門学科の校舎へ向かう人見たこと無かったから…これ知って納得かも。
「普通科の通る校門から専門学科の校舎って遠いじゃん?
だから、まあ裏門的な?そーいうのがあるんだよね」
ほら、って言いながら見せくれたのはいつも通る校門とは比べ物にならないほど小さい校門だった。
というのも。
よく見ると、外道から階段を上がると、この小さい校門が見える感じだった。
高校の表札もないし、パッと見じゃ校門なんてわからないくらい。
「……わ、思ったより小さいね」
「だよな。
オレのダチも言ってたよ。この階段きつくて3年間登るのきちぃーってな」
「…そうだよね…」
そう考えたら心底、普通科でよかったな、って思える。
「……ま。
そんなことより」
くるっと瞬くんが振り返り、視線がぶつかり合う。
「……さっきの話の続き、話そっか」
真剣な眼差し。
…真剣な顔。
彼のその言葉に私はこくりと静かに頷いた。

