【汐音 side】
その日の昼休み。
私は、無理言って瞬くんと空き教室でお昼を食べることにした。
…理由は、真綾達にも話せないことを聞いて欲しかったから。
そのためには、私が病気であることを瞬くんに打ち明けないといけないから誰も来ない空き教室へ訪れた。
「…ごめんね、友達と食べるはずだった所に…」
「いやいいって。気にしないで。
それより、早速オレのこと頼ってくれて嬉しいよ」
嫌な顔せず、ニコリと笑ってくれた瞬くん。
多分、そんな彼だから私は、話そうと思えたんだろう。
空き教室の椅子に座り、お弁当を広げた。
瞬くんは購買部で買ったであろうパンと紙パックの飲み物を開けていた。
スっと1つ息を吐き、もう一度息を吸った。
「……聞いて、欲しいの……私の、話……」
少し、怖い気持ちもあった。
もしかしたら、この話を聞いて瞬くんは私のことを幻滅してしまうのではないか、
嫌われてしまうのではないかと、
そんな気持ちに駆られていた。
「うん」
彼の声はとても穏やかで。
安心出来るその声に私は、緊張が解けたかのように話を始めた。
「まず、ひとつ……これは、真綾たちしか知らないことなんだけど……、」
「うん」
私はもう一度息を大きく吸って吐いた。
「……私ね、病気なの。」
静かに、そう告げた。
その瞬間のドキドキは今までにないくらいの緊張感だった。
例えるなら、大勢の前で1人でスピーチをする感覚に近いだろう。
思わず目をぎゅっとキツく瞑り、彼からの言葉を待った。
「……え」
少しして、彼から消え入りそうな声が聞こえた。
その声が聞こえるまでの時間はやけに長く感じた。
「……ごめんね、急にこんなこと言って……」
瞬くんは突然の発言に目をぱちくりさせていた。
急にこんなこと言っても、簡単には信じられないよね。

