「…もし、誰にも言えない辛いことあったらオレには言ってよ。

オレが、吹き飛ばしてあげる」


「え……、」


瞬くんの思いがけない発言に言葉が詰まった。


だって、瞬くんがそんなこと言うとは思っていなかったから。


「…オレじゃ、山吹の力になれない、かな?」


「……っ、」


さっきとは打って変わって、切ない瞳をする彼にぎゅっと胸が苦しくなった。


こんな、悲しい顔見たことない…。
それに、瞬くんは純粋に私のことを心配してくれてるんだー…。


そう思うと、より一層胸が痛くなった。



「……いい、の?」


気づけば、そう口にしていた私。



なんで、そう言ったのか分からない。

ただ自然と口がそう発言していた。


……もしかしたら、私はある程度関わりのある人に縋りたいのかもしれない。



そう考えたらしっくりきた。


私のその返事に、瞬くんは一瞬驚いたような表情を見せてから、すぐパッと明るい笑顔になり


「ありがとう!」



嬉しそうに笑いながら、ぎゅっと手を握ってきた。


「えっ!?ちょ、」


突然の動きに私は驚いて思わず手を引っ込めてしまった。


「ご、ごめん…!

お、オレ…嬉しくてつい、……」


ほおを少し赤くしながら頭をかく瞬くんを見て、またドキンと胸が鳴る音がした。