‐時間:19:03 場所:学校上空の移動基地

ドタドタドタッ……

「っはぁ!……せっ……殲滅隊、BEAST。到着しました……っ……はぁっ……。」

かなり急いで来たつもりだが、遅れてしまった。……疲れた。まだ何もしてないのに疲れた……。息を荒らげるところに、

「遅い……。何してたのきーさん?」

俺のことをきーさんと呼ぶ彼女は、いつもより低い声で俺に言った。

「隊長ともあろうやつがなにしてんだ……あのバカも来てないけどね……。」

「 ……あ〜……あいつもか……。って言うか!連絡来たの15分前なんだけど!?レッド連絡遅すぎなんだよ!!俺の店からここまで15分ちょいって頑張ったと思わない!? 」

と言い訳混じりに言ったが、

「遅れたのには変わりない。さっさと準備しなさい。」

ピシャリとはね返されてしまった。どうやらレッドと俺のおかげで、不機嫌度が増したようだ。そんな彼女に俺はもっと機嫌を損ねるような……

「うっ……すみませんお母さん……。」

……ことを言ってしまった。

「……お母さんじゃないって言ってんでしょ!」

ドゴッ……!!

彼女に思い切り腹パンされて、床に膝をついた。

「ぐふぅっ!……リッサ……相変わらずキツイなぁ……っ……。」

「ふんっ。早く支度しなさい。もうすぐ出動よ。」

スタスタと、基地の奥へ行ってしまった。ヨロヨロと立ち上がり、壁に手をつきながら呟く。

「……レッドの……クソ野郎っ……!」

そんな中で、あいつが到着した。

「ふぁ〜……。相変わらずだね〜。リッサ不機嫌だった?」

あくびをしながら来たレッドが基地に到着した。

「っ……てめぇ……連絡はもっと早くしろよっ!」

殴られたところを抑えながら、途切れ途切れに言った。ごめんごめんとレッドは言ったが、理由に俺は納得がいかなかった。

「連絡は5時ぐらいには来てたんだけどね〜。ゲーム実況見てたからめんどくさくなってさ〜。メンゴ☆」

「はぁ!?……そんな理由で、なんで俺は腹パンくらわなきゃなんねぇんだよ!」

「だから〜ごめんって言ってるじゃん。」

全く謝る気の無い返答。しかし、俺はなんだか馬鹿らしくなってきたため、

「はぁ〜……。さっさと支度しねぇと……またリッサに怒られるぞ。行け。」

シッシッと手を振り、早く支度するよう促した。レッドはめんどくさそうに準備をし始めた。

「あ、そう言えばさ。」

レッドが言う。

「今度のターゲット知ってる?」

「あ?学校ってことは聞いてるけどよ……。なんだよ、知ってんのか?」

……答えを聞いた俺は少し驚いた。

「今度のターゲット、俺らの母校だよ。」

「……は?」