君へのキモチ

私は、聞こえなかったふりをすることにした。


「………」


私が黙っていると、不機嫌そうな声がした。


「へぇ、ムシとかするんだ?ふーん…」


ひぇっ……なんか、すごい殺気を感じる……っ。


「ご、ごめんなさいっ!その……き、聞こえませんでしたっ」


我ながら苦し紛れな言い訳をする。


「あっそ…ならいいけど」


なんとか怒りは収まったかな…?


胸をなでおろしていると、山本君が私の髪の毛をくしゃっとした。


「や、ややっ…山本君っ!?」


私が勢いよく立ち上がると、山本君は私の反応を見てくすっと笑った。


「ま、元気ならいいんだけど」


それだけ言うと、山本君は席に座った。


少ししか話しちゃったけど……


これくらいならきっと大丈夫だよね……?


ふーっと息をついた、そのときだった。


「元気ねぇと、気になるからさ」


こっちを向いてなかったから、表情は見えなかったけど…


山本君が、何かを小さな声でぼそっとつぶやいた。