君へのキモチ

「―――戻るか。」


「うん。そうだね」


手は繋いだまま、二人でクラステントのほうに歩いていく。


足元に視線を落とせば、地面には二つの影が並んでいて。


心が暖かくなっていく。


一緒にいられる幸せを噛み締めて、残り短い二人の時間を大切に過ごしたら、きっと離れても大丈夫だ。


「手……皆にからかわれるかも」


「勝手に言ってろバカヤローって言ってやるよ」


「ふふっ、バカヤローかぁ」


最初は手を離さない山本君が素直に嬉しかった。


けれど、クラスメイトの輪に近づくにつれて、余裕がなくなってくる、私。


集団に近づいていっても、山本君は握った手を離さなくて、次第に顔に熱が集まっていく。


た、確かに離したくはないけど……これは少し、ハードルが高すぎるよっ!


嬉しさよりも恥ずかしさのほうが僅差で勝ってしまって、一歩が徐々に小さくなっていく。


そしてついに、後方から近づく私たち二人に気づいた勘の鋭い男子が。


「あっ、やっと主役がお出ましだー……ぁあああ゛!?」


私たちを指差したままマンガのように口を大きく開けてプルプル震える男子に、恥ずかしさが込み上げてきた。