君へのキモチ

「俺、実は……その、転校…するんだ。もうすぐ」


「っ」


転校のことを知っているとはいえ、心のどこかではドッキリであってほしいと夢を見たりしていたものだから、いざ本人から言われると現実を突きつけられたようで苦しくなる。


分かってはいても、やっぱり傷ついてしまう。苦しいのは、山本君も同じはずなのにね……


「だから、こんなこと言うなんて……本当今さらって思うと思うけど、やっぱり嘘ついて行きたくねぇなって思って」


お別れを言おうとしているの…?


山本君の言葉を聞きたくないなんて思っちゃう私は、すごく我儘だ…


「…うん」


今にも涙をこぼしてしまいそうな私は、うなずくのが精いっぱい。こんなんじゃダメなのに。


私はうっすらと目にたまっていた涙を手の甲でぬぐおうとした。


と、そのときだった———。


「ごめんな、泣かせてばっかで」


そんな優しい声とともに伸びてきたのは紛れもなく山本君の手。


それは頬を伝っていた涙をそっとぬぐってくれた。


なんで謝ってくれるの…?謝らなきゃいけないのは私なのに。


私のせいで……そんな悲しい顔をしているんだよね?


「わ、たしはだいじょぶだから……」


そう言うのがやっとの私。山本君の触れてくれたところが火照っている。


でも、ふと疑問になる。山本君の言いたいことがよく分からない。


転校のことを伝えるだけ?まだ何か言いたそうにしていると思うのは私の考えすぎなのかな…


しばらく沈黙が続くと、ふっと山本君は何かを決心したような表情になった。


そして固く閉ざしていた口をゆっくりと開いた。






「こんなこと言うのは、本当に最後にする……答えてほしいなんて思ってないけど………」


ぐっと心拍数が上がって、心臓の音がうるさい。


何を言われるのか全然わからなくて、不安が胸のうちに広がっていった。


「俺は……







本当にお前のこと、好きだった」





「……っ」