君へのキモチ

戻るかと言われ、はじかれたように顔を上げる。


山本君はもうこちらに背を向けていた。


このままで、いいの…?傷ついて、私はそれで終わり…?


伝えられるのは、今しかない——……っ


ずっと胸の中にあったこの想い、君にとっては迷惑にしかならないかもしれない。


伝えたって傷つくだけだとわかってる。


それでも……このままじゃきっと、後悔しか残らないはずだから。


私は、もう後悔したくないよ……っ。




「あ、そうだ……」


「ま、待って!……へ?」


意気込んだ矢先、声が被ってしまいつい間の抜けた声が漏れる。


相変わらずタイミングの悪い自分に苦笑いがこぼれそうになる。


「ごめん、何?」


山本君も私と同じことを思ったのか、眉を下げて苦笑いを浮かべていた。


「あ、いや……先にどう、ぞ」


さっきまでの勢いは呆気なくしぼんでしまい、また弱気な自分が出てしまった。


「あ、じゃあ」


何故か言いにくそうに何度も手を首にやっている山本君。


じっと見つめていると、目がしっかりと合い、それだけのことなのにびくっとしてしまう。


「あのさ……俺の話、聞いてもらっていい?」


その自信なさげな声にそっとうなずく。


山本君ははっきりと言う人だから、言いにくそうにしているところを見るのは初めてだ。あ、……初めてではないかな。前に一回だけあった。


そう、君が……私に、「好き」だと伝えてくれたとき。


あの時も、少し言いにくそうにしてたっけなぁ…


大切な思い出、それが私の気持ちをもう一度強くしてくれた。


山本君の話の後に、ちゃんと伝えよう……


私の本当の、気持ちを。