君へのキモチ

走り終わった私は肩で息をしながらその場にぺたんと座り込んでしまった。疲れは半端じゃなかった。


「芽瑠ちゃん、お疲れ様っ!」


ふわふわとした柔らかい声に顔を上げると、目を輝かせている美玲ちゃんが興奮した様子で話し出す。


「山本君、すごく頑張ってるね」


息を整えながらコースに顔を向けると、山本君とC組の男子がカーブのところを横並びになって走っていた。


どちらも速くて、あっという間にトラック半周も走り終えたようで、私達の前では係りの人達が白いゴールテープを持って立っていた。


隣からは山本君の名前が聞こえてきて、私もそれに合わせて口を開いた。


「山本君ーーーっ!」


回りの人にじろじろ見られたってかまわない。


歓声が飛び交うなか、山本君に私の声が聞こえるわけないけど、気持ちだけでも届いてほしかった。


今4回目のカーブを曲がった山本君達。そこで少しだけ走る二人に間ができてしまった。


その直線コース、前を走るのはC組……


眉を寄せている表情から両者ともかなり苦しそうなのが伝わってくる。


それでも少し前に出たC組の方が顔が明るかったし、応援席も盛り上がりを増していた。