君へのキモチ

「行ってくる」


「う、うん。頑張ってっ!!」


小さくうなずいておもむろに立ち上がる長瀬君への応援に力がこもる。


今のところ1位は私たちA組なんだけど……悠長なことは言ってられない。


最初は2位のC組とけっこう差があったんだけど、さすがにC組もそう簡単には負けてくれなくて。


気づけば接戦状態。さっきから抜いて抜かれてを繰り返していて安心などしては、いられない。


B組とD組も速いと思うけど、前の練習のときの延長戦でA組VSC組みたいな雰囲気が出来上がっていて、火花がバチバチ散ってデッドヒートしている。


なんとしてでも勝ちたい……山本君に楽しい思い出、作ってほしいから。


私は指先までぎゅっと力を込めて前方から走ってくる安藤さんの名前をみんなと一緒に叫んだ。


「長瀬ッ、おねがっ………!!」


「おう……っ」


安藤さんがばっと腕を伸ばして長瀬君にバトンを渡した。今日初めてだというのに完璧なバトンパスでバトンは長瀬君の手に収まった。


「長瀬くん……っ!!」


私が名前を口にしたとき、長瀬君はすでに走り出していた。


長瀬君は練習のときもすごく速かったけど、今日はそれ以上だと思う。


C組との差は長瀬君のおかげで再び広がり、クラス中に長瀬君コールが起こった。