君へのキモチ

私の走る番が近づけば近づくほど、お腹の痛みは増していった。


やだ……ど、しよ。このまま走ったって皆に迷惑かけちゃう……逃げてしまいたい。


そっと足を組んでいる腕に顔を埋めた。


不安に、勝てる自信が


「ごめっ、」


私にはもてないよ……っ。


不安に押しつぶされそうになった、そのとき。




「諦めんの?」


回りの応援の声とか歓声とか、全部一気に耳からシャットアウトされていくような感覚に陥る。


そんな中、長瀬君の声だけがよく聞こえるのは、どうしてだろう……


「諦めんの?」


普段とは違う静かな長瀬君の、声。


その声にはっとして顔を起こすと、前に並んでいた長瀬くんがこちらをじっと見つめていた。


その瞳はまるで弱気な私のことを見透かしているとでも言いたげで。


「山本のこと、信じてねーの?」


なんで長瀬くんの言葉はいつも私を強くしてくれるんだろう…っ。


その答えよりも先に浮かんできたのは、長瀬君のおかげで思い出した山本くんを信じる気持ちだった。