君へのキモチ

「よっし、頑張るぞっ……って、芽瑠?」


「芽瑠ちゃん、どうかしたー?」


「おーい……芽瑠ー」


な、なななんで……不意打ちすぎるよ……っ。


まさか山本君もこっちを見ているなんて、目が合うなんて夢にも思ってなくて。


今、私、テンパり中です。挙動不審なのも自覚済みです。


「な、ななななんでもないよ、大丈夫で、ふ………大丈夫です」


「いや、今言い直したよね?ですって言えてなかったよね?」


「まったくもって普通なのです、気にしないでくださいです」


「あ、うん、大丈夫じゃないね」


だ、ダメだ……心臓の音が大きすぎて、自分が何言ってるかもわかんないや。


わからなすぎて、大丈夫、大丈夫と唱えている自分にも気づけないでいる。


今からリレーなんだし、しっかりしなきゃなのに……


「って、リレー!?」


「お帰り、芽瑠。ついでに言っとくと今入場中」


ぶつぶつ言ったり叫んだり、忙しい私にさらっと言った優菜ちゃん。


でも、


「りれー……り、れぇぇぇえ………ふぉおおお、ぉ」


ごめんなさい、緊張のあまり変な声が漏れていたみたいです。だから優菜ちゃん、そんな哀れみの目で見ないでくださいっ。


私はどうすることもできず、緊張も不安も全部吐き出すように大きく息を吐いた。


あぁ、こんなことで緊張とかなくなってくれればいいのに、と心から思った。


「行います……位置について……よーい………パァンッ」


スタートのピストルがなり、第1走者が走るなか私はお腹の痛みと格闘していた。