君へのキモチ

違う……山本君が嫌なんじゃないよ。


なんて言えば、上手く伝わるんだろう?


ぐるぐると考えていた私の思考を断ち切ったのは、山本君のぼそっとつぶやいた声だった。


「ま、そりゃ嫌だよな」



え、……


ち、違……そうじゃなくて……っ。


「そっ、そんなことないっ!」


予想以上の声のボリュームに、自分でもちょっと驚く。


ちょうど近くに人はいなくて、誰かに聞かれる心配はなくて安心する。


息をすって山本君を見上げると、驚いたように見開かれた瞳とぶつかる。


「違い、ます。嫌とかじゃなくて……その、私じゃ迷惑かな、って」


ずっと山本君の目を見れるほど、私は心の強い人間ではなくて。


言い終わるとパッと視線をそらしてしまった。


沈黙が流れるなか、力を入れ過ぎてしまった手のひらには汗がにじんでいた。


足が微かに震えはじめたとき、重たい沈黙を吹き飛ばすような大きなため息が山本君からこぼれた。


「はぁ……バカじゃねーの」


「っ、!」


「迷惑、とかそんなこと思ったことねーけど」


ですよね、私なんてバカだし迷惑がられて当然で………えっ、今なんて……


「だから、そんなこと思ってねーから」


あまりにも間抜けな顔をしていたのかな。小さく笑いながらそう繰り返す山本君。


でも、言っていることがまだいまいちのみこめなくて、うん?と首をかしげる。


迷惑と思われてない?私が…………って、えぇぇええ!?


分かった?というふうにのぞき込まれて、心臓は破裂しそうなくらい早鐘をうっている。


高鳴る胸をおさえて山本君のいたずらっぽく光る瞳を見つめ、こくこくと首を縦にふった。


山本君の言葉がうれしくて……もう、ほっぺが緩んじゃうよ……