君へのキモチ

妙にテンションが高い優菜ちゃんに、ぐるぐると嫌悪感が湧き上がってくる。


そんな自分を押し殺して、重たい口角をなんとか上げてみる。


「な、なんかうれしそうだね?……い、いいことあったの?」


平静を装っているものの、声がわずかに震える。


しかし、普段鋭い優菜ちゃんにしては、珍しく気づいていないようで。


「えぇー?まだ教えれないな~あ!後のお、た、の、し、みっ!」


と言って、楽しそうに私の頬をつんつんとつつく。


あ、どうしよ。泣きそうだ……


「そっか……」


無意識に口から出た言葉は、蚊の鳴くように小さくて、優菜ちゃんに聞こえたかどうかさえわからない。



……なんで、あの時あそこへ行ってしまったんだろう?



……なんで、あの時すぐに戻らず山本君たちの様子を盗み見したりなんてしたんだろう?




自分への後悔と、あの時の二人の笑顔が頭にくっついて離れない。


表情の変化を気づかれてしまわないように、私は顔を下に向けた。


「み、美玲ちゃんの応援……しよっか」


美鈴ちゃんには申し訳ないけど……


トラックのほうに顔を向けても、ちっとも気持ちは晴れなかった。