君へのキモチ

「次は障害物競走かぁー…」


いつもの調子に戻った私が、何気なくつぶやいた一言。


その小さな声に、美玲ちゃんはぴくりと反応した。


ど、どうしたの美玲ちゃんっ?汗、大量にかいてるよ……?


「えと……美玲ちゃん、どうかした?」


「め、芽瑠ちゃん……いま…なんて?」


恐る恐るたずねた私の質問には答えず、なぜか焦ったように口をパクパクさせながら聞いてきた美玲ちゃん。


ふむ、あきらかに様子がおかしい。


「うん?つ、次はしょうがいぶ……」


「あ゛ぁっ!!」


いきなり大きな声を発して立ち上がった美玲ちゃん。いやな予感……


「え、もしかして……美玲ちゃん、障害物競走のメンバー?」


……そんなわけないかっ。もしそうだったら、ここにいま居るはずなないもんね!

「は、はい……」


そっかそっかー……


「美玲ちゃん頑張って!ふぁい……と……へっ!?」


出るんなら、今ここにいちゃダメなんじゃ……っていうか、連続で出るとか大変そうだなぁ。


隣をパッと見ると……


「い、行ってきますーっ」


靴を急いで履いて、よたよたと走って行く美玲ちゃんの後ろ姿……


競技の前に、まずは入場に間に合うように頑張れっ。


私は笑みをたたえて、シャキーンッという効果音が出てきそうなほどキレのあるグーサインを美玲ちゃんの後ろ姿に繰り出した。