君へのキモチ

「あっ、芽瑠ちゃんいたー!もうっ、私の出てた借り物競争終わっちゃったんだよー?」


テントに戻ってきた私に元気よく声をかけてくれた美玲ちゃんに、


「ごめんねー!トイレに行っててっ」


なんでもない風を装って、笑顔で返す。


「そうなのー?もう、しょうがないなぁ。優菜ちゃんもどっか行っちゃったっぽいしー…」


寂しいー!と無邪気に言う美玲ちゃん。


「へ、へぇ?優菜ちゃんいないんだ、ね…」


しまった、と思ったときにはもう遅くて。


美玲ちゃんはさっと顔を曇らせていた。


「芽瑠ちゃん、どうし……」


「あーっ!!400mリレーやってるよっ!テントで男子応援しよっ」


美玲ちゃんの言いたいことはなんとなくわかっていたから…私はその言葉をさえぎった。


でも、と言葉を濁している美玲ちゃんが、私に心配そうな視線を送っていることには気づいてる。


でも気づかないフリをして…


背中に視線を感じながらテントに戻った。


「芽瑠ちゃんのバカ……頼ってよ………」


「…っ」


美玲ちゃんの小さな声に、ごめんねと心の中で謝ることしかできなかった。