君へのキモチ

「そういえば…さ」

「はい?」


どことなくトーンの低い声を発した山本君との間に、緊張感が流れる。


私は布団の中で体育座りをして、次の言葉を待つ。


「その…た、倒れる前って……なんか言ったりした?」

「…っ」


頭の中で自分の言った言葉がリピートされて、顔がかっと赤くなっていく。


山本君の顔も赤く見えるのは気のせい…だよね?聞かれてないよね…?


「たた倒れる前ですかっ?多分何もいや、……絶対何も言ってないです!」


なんとか言い訳で乗り越えたつもりだけど…この微妙な空気は何だろうか。


「あれっ、あんなところに虹色のハトが飛んでますよー?あっ、向こうには黒い白鳥が」

「は?虹色のハトって、夢の国か。黒い白鳥?それ白鳥じゃねぇだろ!」


わぉ!キレキレのツッコみはいまだ健在みたい。


でも話題は変わったし、さっきみたいな空気にはならないはずっ!


「あ、すいません。ただのハトとただカラスの見まちがえでした」

「おい、大丈夫……じゃねぇな。聞くまでもなかった」


いつの間にか……付き合う前のような軽口を言い合えるようになっていることに気づいた。