君へのキモチ

棚に寄りかかりながらじとーっと視線をこちらに向けている山本君に気づき、口をつぐむ。


いたんだ…ひ、ひとりごと聞かれちゃった……っ。


「はぁ…なんで一人でまた練習しようとしてんの?…バカじゃん。それでぶっ倒れてたら意味ねーし」


「は、はいっ…ごめんなさ、い?」


急いで謝ったけど……もしかして心配してくれてるのかな?


ちらりと山本君のほうに目線だけ送ると、ばちっと目が合ってしまい、慌てて下を向く。


もし、心配してくれてたのなら…うれしいな。


「ふふっ…もう、しないですっ」


あれ…?こんなに楽しい気持ちになったのは、いつぶりだろう?


私、いますごく自然に笑えてる……


「ん、絶対すんなよ?放課後みんなでバトンパスの練習すれば十分」


少し優しくなった山本君の声に、再び笑みがこぼれる。


いま、山本君はどんな顔をしてるんだろなぁ…


「っ…」


視線を泳がせている山本君。


言葉は淡々としていたけど、もしや、照れてる?


うれしい気持ちがこみ上げてきた。