君へのキモチ

1周目は余裕そうに走っていたC組のアンカーの男子。


その少し後ろを追いかけるように走っている山本君。


二人の距離は縮まっていっている。


2周目に入ると、さすがにC組の男子のスピードも落ちてきている。


山本君もそろそろ疲れてきたんじゃ…


「えっ…す、すごいっ」


私は思わず息をのんだ。


山本君は2周目でも全然疲れてる風には見えなくて。


風のように走る山本君は、さらりとC組のアンカーを抜かした。


もしかして、これはいけるんじゃ?と、クラスの誰もが思ったそのとき。


わっ、とC組から歓声が上がった。


嫌な予感がして、C組の走者を見て私は唖然とした。


そこからは何もかもがあっという間で……





「ゴーーーールッ!」


C組はアンカーを取り囲んで盛り上がっている。


結果は……同着。


喜ぶべき……なんだけど…


クラス全員、C組のアンカーの追い上げに驚きを隠せないでいた。


誰もが勝てると思っていた矢先の、この結果。


笑いながら教室へ戻って行くC組とは対照的に私達は静かで。

グラウンドには山本君の荒い息づかいだけが聞こえていた。