君へのキモチ

C組との差を縮めて、長瀬君は次の人にバトンを渡した。


コースから抜けて、荒い息で肩を上下させている長瀬君の後ろ姿を、見つめていたとき。


「……っ!」


え?長瀬君……っ?


こちらを見て、小さくブイサインをした長瀬君。


私、迷惑かけちゃったのに……怒ってないんだ。


長瀬君の優しさに、私は笑顔を見せた。


想いにこたえられなかった私に、変わらず優しく接してくれて…本当に優しすぎる。


長瀬君の姿に勇気をもらい、私はコースに目を戻した。


安藤さんは頑張っているけど、C組の男子とでは体格差もあり、抜くのは難しそう。


わずかな差でC組のバトンが先にアンカーの手に渡された。


そしてうちのクラスのバトンも、アンカーである山本君に渡された。


アンカー同士の戦い……


私は無意識のうちにぎゅっと手を握りしめていた。


アンカーはトラック2周。体力勝負になってくる。


私は祈るような気持ちで山本君の走る姿を見つめた。