君へのキモチ

バトンパスは成功。


受け取ったバトンをきゅっと握りしめ、半周先で待っている長瀬君に向かって走り出した。


「芽瑠ちゃーんっ!頑張れーっ!!」

「日向ぁー!行けー!!」


みんなからの声援に背中が押される。


長瀬君まで半分を切った。


あと60メートル…あと、50メート…


「…あっ」


すぐ後ろまで迫っていたC組の人に抜かされてしまった。


なんとか追いつこうと頑張るものの、C組との差は開いていくばかり。


みんなに申し訳なさすぎるよ…


下を向いて泣きそうになりながら走っているとき、長瀬君の声がはっきりと聞こえた。





「あきらめんなっ!!」



「……っ!」





その言葉に目がさめた。


そうだよ……最後まで、バトンをつながなきゃっ…!


「ご、めん…っ!お願いっ」


「まかせろ」


笑顔を見せてくれた長瀬君に、しっかりとバトンを渡す。


バトンを受け取って走り出した長瀬君の後ろ姿に向かって、私は声を張り上げた。


「長瀬くーーーんっ!がんばれーっ!!」


頼もしい長瀬君の背中はどんどん風をきっていった。