君へのキモチ

練習が終わって、へとへとな体を引きずりながら帰り道を歩く。


あたりは日が落ちかけているので、私は足を速めた。


家の近くの、見慣れた角を曲がったときだった。


「おじょうちゃん」


「はい…?」


誰かに呼び止められて、ゆっくり振り返ってみると、そこには知らないおばあちゃんがいた。


「どちら様、ですか?」


なんで呼び止められたんだろう?私、何かしちゃったのかな?


あたふたしていると、おばあちゃんは困ったように笑った。


「あら、ごめんなさいね、呼び止めてしまって。お急ぎだったかしら?」


おばあちゃんの優しい声色にほっと安堵の息をもらす。


「いえ、大丈夫ですよ」


そう言うと、おばあちゃんはふふふと目じりを下げて笑った。


その笑顔に、疲れていた心が癒されていく気がした。


「あなた、私の孫に似ていてねぇ。つい、声をかけてしまったのよ」


「お孫さん、このあたりに住んでいらっしゃるんですか?」


「えぇ、そうなの……」


おばあちゃんは優しくて、話上手で。


私たちは時間を忘れてしまうくらい話し込んでいた。