君へのキモチ

「あ…」


コンマ一秒で山本君のことを見つけてしまう自分に苦笑いしてしまう。


やはり自分は、どうしようもなく彼のことが好きなのだと気づかされる。


その証拠に、さっきから視線が山本君から1mmも動かないんだ。


山本君と安藤さんも休憩中なのか、安藤さんの姿は見えない。


私は緊張で重たい足に力を込めて、山本君のほうへ歩いていった。



「や、山本君……」


近くで山本君を見上げると、声まで震えてくる。


「なに」


山本君は目も合わせようともしてくれない。


前の私なら、もう泣きそうになっていたと思う。


でも、冷たい態度の訳を知っている今、そんなことで傷ついてはいられないんだ。


「こ、この間は…体育祭の提案、一人でさせてしまって、本当にごめんなさい!ありがとう…ございますっ」


「…」


予想はしていたけれど、やはり返事は返ってこない。


私はぐっと顔を下に向けると、


「さっ、最高の体育祭に…しようねっ」


と、早口に言ってその場を去ろうとした。