君へのキモチ

なんとか沈黙ができないよう、話題を探す。


「そういえば私、じ、実行委員からの提案、しなきゃダメだったんだー…」


私、変なこと言ったかな。なんか今一瞬、変な空気流れなかった?


美玲ちゃんは、少し目を泳がせながら言った。


「朝のSHRのとき、してくれたよ」

「え、してくれたって、誰が……」


私ははっとして隣を見た。


山本君は顔を机に伏せてしまっている。


…一人でしてくれたの?


顔を上げると、二人は小さくうなずく。


「そ、なんだ」


なんとか声を絞り出す。


———そこまでしてくれるってことは、体育祭のときはまだいるんだね?


のどまで出かかった言葉を何とかのみこんだ。


私は、山本君が転校することは知らないってことになってるから。


二人にばれてしまわないよう、机の下で強く拳を握りしめた。










(この体育祭が、山本にとっては…)

(みんなと楽しめる…最後の行事なんだよね…)


優菜ちゃんと美玲ちゃんが悲しげに視線を交わしていたことに、私が気づくことはなかった。