君へのキモチ

そのとき私は気づいた。


もしかして山本君、私の家覚えてくれてる?


さっきから迷いなく歩いてるのは……忘れてないから?


家まであと少し。家に着いたらまた山本君との距離が離れてしまう気がする。


言うなら、今だよね……


私はぐっと手に力を入れた。


家まであと数メートル。


……到着。






「山本君っ!!」



山本君が足を止めた。


私はすぅっと目を閉じてからパッと開いて、モヤモヤを吐き出すように言った。


「なっ、悩み事があるなら……抱え込まないでっ」


山本君は驚いたように目を見開いている。


私は苦笑いしながら続けた。


「私が聞きたいんですけど、私じゃ嫌ですよね……だから、親とか友達とかっ。悩みを話してみたらいいんじゃないですか?」


自分で言っておいてだけど……やっぱり私では山本君の力になれないんだと思い、自嘲気味な笑いがこぼれる。


一番の力になれないのが、寂しいなぁ…