君へのキモチ

キーンコーンカーンコーン。


あ、終業のチャイムがなった……


って、今さらだけどちゃんとさっきのお礼言わなきゃだよね。


「あのっ、山本君!さっきは助けてくれて本当にありがとうっ!!」


私は教室に入ろうとしていた彼の背中に、大きな声でお礼を言った。


「別に」


一言だけ、そっけなく言った彼だけど、ふり向いた顔には満面の笑みが浮かんでいた。


やっぱり悪い人なんかじゃない、優しい人なんだな、って思えて。


私も彼の顔を見てにっこり笑った。