君へのキモチ

私は精いっぱいの笑顔を、長瀬君に向けた。


「ありがとうっ…」


長瀬君が少しだけ手を伸ばしたけれど、それには気づかないふりをする。


「私、山本君をずっと想っていたい……強くなってみせるから…っ」


それだけ言って、かばんをつかんで教室を出ようとした。


「日向っ!!」


思わず振り返ってしまいたくなるような、切なく響く長瀬君の声。


多分、今の彼の気持ちを私は痛いくらい知っている。


でも、もう振り返らない……。


「バイバイ……っ」


自分の気持ちを伝えたくて。私の覚悟を知ってほしくて。


私は大きな声で長瀬君にさよならを告げた。







「日向っ、山本はっ!!」


ドクンッ…!


その名前を聞き、つい立ち止まる。


「山本はっ…本当は……」


な、に……何を言おうとしているの……?


わからないけれど、なんだか嫌な予感がするの。