君へのキモチ

体がゆっくりと離れていく。


私は長瀬君の顔を見た。


長瀬君は眉をハの字にして、やっぱり悲しそうな顔をしている。


でも、きれいな黒い瞳は、なにか決心したような……強い光を宿していた。


「俺さ…これ以上傷ついているお前を見たくねーんだ。笑顔でいてほしい。だから……俺に守らせてよ」



予想もしていなかった告白に、私は何も言えないでいる。


ようやく長瀬君の言葉の意味を理解すると、首を横に振った。


「ごめ……っ私、まだ山本君のことが……」


「今はいい」


長瀬君は私をさえぎって言った。


「今すぐあきらめらんないだろ。でもさ、知っててほしいんだ。俺の気持ちが変わってないこと」


長瀬君の瞳が切なげに揺れる。


心臓が小さく音を立てた。


なんて言えばいいんだろう……言葉が出てこない。