君へのキモチ

長瀬君に離してもらいたくて腕に力を籠めるけど、びくともしない。


なんだか怖くなってきて、長瀬君を見上げたら、長瀬君は私のほうではなく、私の後ろ…つまり廊下のほうをじっと見ていた。


「ね、長瀬くっ…!私用事があるからっ、離してほしいんだけ……」


本当にいきなりだった———。


「……っ!?」







長瀬君の行動が分からない……っ…


腕を引っぱったかと思ったら、今度は……





「邪魔なんだけど。そういうことは人のいないところでやってくんない?」


「あっ……」




一瞬緩んだ長瀬君の腕の中から離れると、恐る恐る振り返った。


ずっと待っていたその人が、そこに立っていた……



「山本……君…っ」


名前を口にしただけで、涙が溢れそうになる。


私はもう、長瀬君のことなんて忘れてしまっていた。


「私、話がしたくてっ……それで山本君を待ってて…っ!」


こちらに目もくれない山本君にショックを受けたけれど、それでも必死になって声をかけた。