君へのキモチ

「芽瑠ちゃん…はい、これで鼻かんで?」


話し終えると、美玲ちゃんは私にポケットティッシュをくれた。


私はかすれた声でありがとう、と言ってティッシュを受け取った。


「うーん…山本が何考えてんのか、全然分かんないな」


優菜ちゃんはうーんと首をひねっている。


私も分かんないんだ……山本君、なにを考えているの…?


「私も分かんないけど…とりあえず芽瑠ちゃん、教室戻れる?時間が…」

「あっ…!HRの時間っ!!」


私達はパッと顔を見合わせて叫んだ。


「ヤバいっ…遅れるっ」

「急がなきゃっ!って、芽瑠ちゃんっ!?い、急いでってばぁ」


美玲ちゃんの声は叫びにも近かった。


えっ、全速力で走ってるよ?


「芽瑠、遅いっ!」

「そ、そんなことな…」

「うーん、遅いよねぇ?」

「…」


…美玲ちゃん、私の心を折ろうとしてないよね。美玲ちゃんの言葉、けっこうグサッと来てるんだけどなっ。



……でも、二人のおかげで少し気が楽になったよ。


「ありがとう…」


私は二人の背中に向かって小さくつぶやいた。