君へのキモチ

私は覚悟を決めると、小さな声で言った。


「み、美玲ちゃんが……」


「白河が?」


山本君が先をうながしてきた。


えーいっ!もう、言うしかないっ!


「美玲ちゃんが、ね、眠気を誘うようないい香りを醸し出していてですねっ。まぁ、ようするに……眠くなっちゃったんで、す」


……言っちゃった。


私は山本君の反応が気になって、顔を上げてみた。




「……ぶっ!!!」


「あっ、笑わないって約束したのに……!」


山本君は吹き出した後、お腹をかかえて本格的に笑い出した。


そ、そんなに変なこと言ったっけ?


「人の匂いで眠くなるとか、アホじゃん?睡眠足りてないんじゃねぇの」


ひ、ひどいーっ!!


助けてくれたときはちょっとかっこいいなって思ったけど……


この人、性格ひねくれてますっ!