「えっ?」


「勉強」



「………え、」


「は?」


電話の向こうから不機嫌そうな声がしたから、私は必死に言い訳を探した。


「いや、えっと、驚いちゃったと言いますか……あのっ……デ、デートっとか考えちゃって!だから、その……」


「もっ、もういい」


山本君は何でかあせったように私をさえぎった。


後ろでは優菜ちゃんがくくって笑っているけど、どうしたんだろう?


「じゃ、じゃあ一時に図書館で」


「うん、わかっ……切れてる?」


山本君は私の返事も聞かずに切ってしまった。


どうしよう?私、なにかしちゃったかな?


とまどいながら通話終了ボタンを押す。


「さっ、朝ご飯食べよー!」


優菜ちゃんは私の肩をポンッとたたくと、部屋を出た。


「また迷子になったら困っちゃうしね?」


美玲ちゃんは優しく笑うと、私の手をそっと引いた。


「うん……ありがとう」


私は少し落ち込み気味に部屋を出た。