「よかった!ね、今日ウチに泊まりに来ない?」


電話口から、優菜ちゃんはさらっと言った。


「えっ、いいのっ?」


お泊りなんて……あの大豪邸にっ?


優菜ちゃんの家は小中学生の時、何回か泊りに行ったけど、すごいんだっ。


広くてきれいで……


思い出したら緊張してきた……。


「実は今日、親が二人とも出張で私一人なんだよね。だから来てほしいんだけど……」


電話の向こうから控え目に優菜ちゃんが言った。


「はいっ!すぐお伺いしますっ」


私は即答した。


親友に悲しい思いさせたくないもんっ。


「そういえば…私たち二人だけなの?」


私は勉強道具を片付けながら聞いた。


「んー?あと、美玲もだよ」


美玲ちゃんも、か。………ちょっと気まずいかも……