なっ、なにこの状況っ!?


私、口ふさがれちゃってる?えっ、殺されかけてる?


「く、苦じぃっ」


私はなんとか山本君の魔の手から逃れようとじたばたもがいた。


「ったく、お前が廊下で発狂するからだろ?」


不機嫌そうに眉をよせる山本君に、もう怖さは感じなくて。


「わっ私、さけんでないよっ!」


なんだか楽しくなってきて、笑いながら言い返した。


「……やっと笑った」