山本君の指が私の涙をぬぐった。


「えっ…」


「ごめん」


おどろいている私に山本君が、そう呟いた。


「な、んで…?」


山本君は、申し訳なさそうに眉を寄せながら、こちらをじっと見て。


「ちょっとからかいすぎた」


そうぶっきらぼうに言った。


「からかうって……?」


でも、いまいち山本君の言ったことが理解できていない私は、首をかしげることしかできない。


すると山本君は


「だから!授業を受けたかったって言ったのは、少しからからかってやろうって思ったからだよ」


と、さっきより少し大きめの声で言った。


「えっ……えぇぇぇっ!?」


からかわれていたことにようやく気づいてつい、叫んでしまった私。


すると、


「おいっ、今授業中っ」


「ぶわっ…!」