ここまで来て、私はようやく状況がのみこめた。


そうだ、さっきあまりにも美玲ちゃんのいい香りのせいで眠くなっちゃったんだ。


やばい、どうしよう!?先生、すごく怒ってるよ、ね?


これはなんと言い訳すれば……


「そんなに俺の授業が受けたくないのかっ!?」


「そ、そういうわけじゃ…っ」


「じゃあなんで寝てたんだぁ!!」


ふぇっ……怖いぃ!


「ご、めんなさ……っ」


先生に謝ろうとした、そのとき———。



ガタっ……!



えっ……?山本……君?


なぜか、隣の席の山本一哉(やまもと かずや)君が立ち上がった。