「でもね……」


私も長瀬君の目を見て言葉を続ける。


「やっぱり、長瀬君を頼れない……頼っちゃダメだと思うの。友達として仲良く……じゃダメかな……?」


私は長瀬君の顔を見つめた。


長瀬君は、少し悲しそうな顔をするとふいっと私から顔をそむけた。


「ごめん……しばらく距離おくかも」


「……うん、そっか……ごめんね」


私はそうだよね、とつぶやいてしゅんとした。


「でもさ、俺が立ち直れたら………話、かけてもいい?」


長瀬君は私に背を向けると、小さな声で、不安そうに聞いた。


私は長瀬君の背中にむかって大きな声で言った。


「もちろんだよっ!待ってるっ」


長瀬君の小さく笑う声が聞こえた。


そして、長瀬君の背中はどんどん離れて行った。






ありがとう、長瀬君。私なんかを好きになってくれて……


私も、山本君に思いを伝えられるよう頑張るよっ。