「俺なら、悲しませない……っ……好きだから」


苦しそうな顔で長瀬君は言った。


真剣なんだ……って思うとやっぱりうれしい。


でも………っ。


「ごめっ……やっぱり、山本くっ…が好きだからっ………長瀬君の気持ちには……答えられないよ……っ」


長瀬くん、ごめんなさい……


こんな私のことを思ってくれて、ありがとう……


「そっか……」


長瀬君は、小さくつぶやいた。


悲しそうな声色だけど、彼の目はまだまっすぐにこちらを見ていて。


「なら……友達として、頼ってよ」


でも、私は気づいてしまった。


長瀬君は強がってるんだ……


ここで、優しい長瀬君に頼ってしまったらいけない気がする。


私は長瀬君にニコッと笑った。


「ありがとっ…」