君へのキモチ

「そろそろ出るか……混んできたし」


ふっと会話が途切れた時、山本君は立ち上がって言った。


「はい…そうですね………」


私は、帰る準備を始めた彼の背中にむかってつぶやいた。


なんか……


「寂しいな……」


「は……?」


あれっ!?今、声に出てたっ?


私はあせわてて口をふさいだ。


「いやっ、あの……っ」


私は赤くなった顔を隠すように下を向いて、もごもごと言い訳を探した。


「明日……」


すると、山本君がぽつりと言った。


「?」


私は顔を上げて山本君のほうを向いた。


山本君はこちらに背を向けているので、顔は見えなかった。


やがて、山本君はこちらを振り向いて、さっきよりも大きい声で言った。


「明日、学校で練習試合あるんだけど……来れば?」


私は息をのんだ。


だって、山本君の顔は


私に負けないくらい、赤く染まっていたから……