君へのキモチ

私はいつもの明るい声を出した。


「あーっ!そういえば、遅れてごめんなさいっ!」


頭を勢い良く下げると、ポニーテールにした髪もふわっと揺れた。


「い、や…まぁいいけど。つか、お前着くの速くね?メールして何分で来てんだよ」


怒られるかと思ったけど、山本君は怒らずに話題を変えてくれた。


ここはありがたく乗らせていただこう。場の空気を悪くしないためにも!


「私、足には少し自信がありますんでっ!」


私はニコッと笑ってみせた。


すると、頭を軽くベシッとたたかれた。


「お前の100m走のタイム知ってるけど?」


「う゛っ……!」


頭をおさえながら軽くにらんでいると、ふと気づいた。


これ、いつもの空気だ。軽口とか言い合える、ゆるい空気。


なんか、楽しい…?


「じゃ、そろそろ行くか。二階に机確保しといた」


山本君は上を指差して言った。


「はーい」


今日の本来の目的を思い出し、少しだけ憂鬱になったのは、心の中に押し込んでおこう。


愚痴を漏らせば、怒られちゃいそうだもんね。