君へのキモチ

今、一番聞きたかった声が後ろから聞こえて思わず息をのむ。


足音が近づいてきて、私の前で止まった。


その足音の人はなんとなく誰か分かっていて。


少しためらわれたけれど、ゆっくりと顔を上げた。


視界は涙のせいでぼやけているけれど、「はっ……はぁっ…」という息遣いが聞こえてくるから、走ってきてくれたんだんだと思う。


私は、彼の名前を呼んだ。




「や、山本君っ……」




次の瞬間。


クーラーのせいで冷えきっていた体に人のぬくもりを感じた。


暖かくて、心地よくて……私の思考回路は完全にショートしている。


だから、山本君に抱きしめられていることに気づくのに、時間がかかった。


「山、本…君っ……?」


私はうるさいくらい鳴っている心臓の音に恥ずかしくなって、顔を赤らめた。


「あのっ……山も、…」


「……心配した」


えっ……?


山本君は私の言葉をさえぎって、絞り出すような声でそう言った。