さらに仲良くなったのは、ある日彼が私の様子に気が付いてくれたからだった。
「どうした?元気ないね」って声をかけてくれた。
普通のなんでもない言葉だったけど、彼の優しさが伝わってきて、気が付いたら涙がポロっと流れ落ちてた。
「良かったら話聞くよ」
と言ってくれて、その日の仕事終わりに初めて二人きりで飲みに行った。
そこでさんざん愚痴を聞いてもらってスッキリした私は、何かあれば彼を誘い、落ち込んでいるのに彼が先に気付いた時には誘われと何度も二人だけの飲み会をした。
そのひと時は、ちょっとだけ会社を辞めたい気持ちが薄れる瞬間だった。