グイッと腕を引かれ、しかたなく藤真由美と向き合う。
『あたし、やめませんヨ?良平先輩があたしのモノになってくれるまで、ネ♪』
『ちぃを傷つけた君のモノになれっていうのか?』
そんなもの、お断りに決まってる。
『あたしはチャンスをあげましたヨ。守れなかったのは良平先輩デス♪それに・・・これ以上壊されたくなかったらあたしに従うべきだと思うんですヨネ♪』
『君にそんな力があると?』
どうして藤真由美はこんなにも自信満々にこんな行動がとれるのか。
思考回路を張り巡らせる。
『ウフフ♪良平先輩、今こう思ってます?目の前の女はいったいどこの誰だッテ・・。教えてあげます特別にネ♪』
そこまで藤真由美が口にしたところでピンときた。
『藤財閥のご令嬢・・・藤真由美』
『ご名答デス♪』
・・・なるほどね。
昔、桜おばさんの主催したパーティに出席したときに藤財閥の令嬢がいたのを思い出す。
パーティの間に面倒をみたことがある。
でもたったの一度の話だ。
それでも10年も前のこと。
『あたしの言っていることに従わなかった場合、良平先輩のおばさまの経営している会社や・・・千愛先輩のお父様の会社を握りつぶすのはたやすいことなんデス♪』
父親の権力で何もかも手に入れようってことか・・・。
藤財閥は日本でその名を知らない人がいないくらいの大きな財閥。
日本各地に子会社がうようよと存在する。
俺の父さんの姉でもある桜おばさんが経営している服飾系の会社ももちろん取引をしているし、ちぃのお父さんが社長を務める化粧品会社も大きく関わっている。
『なるほど・・・。こっちは為す術もないってことかな?』
『さすが良平先輩デス♪』


