あの日、はじめてちぃが俺から逃げた日。
多分水原の元へ行ってるんじゃないかと思った俺は水原の家までちぃを迎えに行った。
水原家のインターホンに指をかけたその時、藤 真由美は俺の前に姿を現したんだ。
『良平先輩!』
『!?』
体に衝撃を感じて気づいたときには首に腕を巻き付かれ、抱き着かれていた。
『君は・・・』
『藤 真由美です!昔あったことがあるんですけど、憶えていませんか?』
藤・・真由美。
聞いたことがあるような気がする。
けど、どこでだ?
ここ最近の記憶にはいない。
それよりも・・・
『藤さん?ごめんね、いつ頃あったのかな』
ちぃ以外の女の子にずっと抱き着かれているのは気分が良くないんだ。
そっと自然の流れで藤真由美の腕を引き離した。
『・・・忘れたっていうんですか?あの約束も・・・?』
『約束・・?良ければ教えてくれないかな。そうしたらきっと思い出せると思うんだけど』
記憶に思いを馳せてみれば、そこにあるのはちぃとの思い出ばかりで。
『ふーん・・。忘れちゃったんダ?仕方ないですねぇ、少しだけ時間をあげます。それまでに思い出してくれなかったら・・・』
ニッコリと笑う藤真由美。
『良平先輩の一番大切なモノを壊しちゃいますヨ♪』


