溺れ愛



「姉さんがドジするなんて珍しいね。しかもこんな大怪我」



あれからパパとママはお医者さんの元へ呼ばれて、


矢上先生は学校に報告があるからと帰っていった。


武くんもついさっきリハビリの時間になってしまってリハビリルームへ。


だから今は弟のヨウくんと二人きりです。



「えへへ・・。ごめんね、心配かけて」

「別に。痛いのは姉さんだから。まぁ、心配はしたけどね」



ヨウくんは昔はとっても甘えんぼで、すぐに抱っこをおねだりしてきたのに・・・。


今はちょっとクールになってるです。


思春期だからかな?


ふふふ。



「あのさ、良くんには連絡したの?」

「ああ!すっかり忘れてた・・・ヨウくんから良平くんに連絡してくれる?」

「わかった。一応病院だから外でしてくるよ。姉さんは大人しくしててよ」



一度だけ頷いて心配するヨウくんを笑顔で見送った。


一人になっちゃったなぁ。


そうなると・・・必然と思い浮かぶのは、階段から落ちたときのことで。


あの女の子を、私は知っている気がする。


どこかであった気がする。


顔は・・さっきも一瞬しか見えなかったし覚えてないんだけど。


そう遠くない過去だと思う。


女の子は多分、良平くんに好意を寄せている子。