溺れ愛



結局保健の先生の判断で矢上先生と病院に行くことになった。


連れてこられたのは武くんの入院している病院だ。



「お前、相当痛かったろ」

「い、たくないことはないです・・・あはは」

「我慢強い奴だな。手首骨折しててそんな風に出来ねーぞ普通」



診察の結果、私の左手首は見事に折れていたようです・・。


これから武くんのお見舞いにいけないなんて。


私、何も償えない。



「手術必要みたいだからこのまま入院だな、お前は。今ご両親に連絡と、ついでに相馬に会ってくっから大人しくしとけよ~」



大人しくもなにも・・・足にもヒビがはいってて動けないです・・・。


あぁ、パパとママに心配かけちゃうなぁ。



「良平くんにも連絡しなくちゃ・・・」



後で家に行くって言っちゃった。


良平くん・・・。



「千愛!」

「え?武くん!?」



ベッドの上で良平くんのことを考えていたら武くんがやってきた。



「はぁ・・・一応元気そうだな」

「う、うん。ごめんね・・・当分お手伝い出来そうにないです」



武くんは心配をしてきてくれたみたい。



「俺のクラスで二人も入院ってなんか縁起わりーじゃねーかよ。しかも学校行事中と、校内でかよ・・・。勘弁しろよな、お前ら」



武くんと一緒に帰ってきた矢上先生は頭をボリボリとかいてる。



「すいません・・・」

「いや、それより聞きたいことがあんだけどいいか?」

「はい」

「高木、お前は階段から転がり落ちたわけじゃないよな?」



矢上先生の言葉に心臓が一瞬跳ねた。


あのとき、階段から落ちる瞬間・・・私は誰かに背中を故意的に押されたような気がするの。


誰かが偶然ぶつかったのかと思ったけど、違う。


階段の踊り場の窓に反射して見えた、制服姿の女の子。


誰かまでは分からなかったけどその背格好は誰かに似ていた。