溺れ愛


「相馬さん、少し先生からお話があるのでこちらへいいですか?」

「はい」



武くんは看護師さんと一緒に出ていった。


とりあえず私はいつも通りの洗濯と身の回りの整理整頓をしてようかなぁ。



「レシピ本・・・」



掛け布団を整えようと手をかけると、布団の中からボロボロのレシピ本が出てきた。


ずっと使っているのかな?


何回もめくった痕があるし、少し黄ばんでしまってる。


パティシエになるって夢を必死に追いかけてるんだね、武くん。



「写真?」



武くんが戻るまでパラパラと美味しそうなスイーツの載ったレシピ本を読んでいたら・・・真ん中あたりのページに挟まっていた、二枚の写真。


一枚は武くんと乃ノ香ちゃんが一緒に写っている写真。


乃ノ香ちゃんの中学校の入学式かな?


武くんが乃ノ香ちゃんを抱き寄せているように見えるんだけど・・・。


仲良しだったのかな。


二人ともとっても嬉しそう。


昔の私と良平くんを思い出すです。



「武くん、もしかして・・・?」



もう一枚の写真は・・・乃ノ香ちゃんの寝顔。


きっとこれは武くんが撮ったんだよね。


武くんと乃ノ香ちゃんは、兄妹だから苦しんでるの・・・?


乃ノ香ちゃんを突き放さなければいけない理由は、


兄妹だからなのかもしれない。