溺れ愛



ああ・・。


忘れていました。


武くんは今、私のせいで一人ぼっちで入院しているのに・・・。


私は良平くんと過ごせて嬉しいだなんて。


ひどい・・・。


私、武くんにとってもひどいことをしてるよ・・。


自分だけ楽しく過ごすなんて。


ダメに決まってるのに。


良平くんと二人でのお出かけでも、後で来てくれると言ってくれたことも。


嬉しすぎて仕方なくて。


武くんのこと何も考えていなかった。


ああ、決意が弱かったんだ。


武くんが元気に退院するまで、私もしっかりサポートするって決めたのに。


それなのに、良平くんと笑顔で過ごしているなんて・・・。


ごめんなさい・・・。


私が武くんを傷つけたんだもん。


ちゃんと・・・ちゃんと、しなくちゃ。





「ちぃ?」




ヨウくんの宿題が終わって私の部屋に来てくれた良平くん。




「もう寝ちゃったか。遅くなってごめんね、ちぃ」




だけど、良平くんと二人で過ごす気持ちにはなれなくて・・・私は寝たふりをきめこんでしまった。


優しい、優しい良平くん。


私の身勝手で振り回してしまってごめんなさい。


今のままじゃ、武くんに後ろめたくて幸せな時間を過ごせないよ私。


やっぱり暫くは良平くんと会うことはやめよう。


せめて武くんが退院するまでは。




「おやすみ」




良平くんは私の頭をそっと撫でて、額にキスを落としてから部屋から出ていった。


その行動が嬉しい。


だけど、複雑。