溺れ愛




むむむ・・・。


ギャルちゃん離れて~・・・なんて、言えないよ~。



「千愛、そんな顔しないの!!ほら、みなさいよ」



弥生ちゃんが指さしたのは、2組のクラス表。


丁度真ん中らへん・・・高木千愛の下に



「あった!!良平くんだ!!」



竹下良平。


一緒だ!!


修学旅行も、最後の文化祭も。


これから先の行事ぜーんぶ、良平くんと過ごせるんだぁ!


嬉しいよ~。




「ん、俺のこと呼んだ?」

「えっ!?あ、えと・・・」

「あ、ちぃと一緒だね」




さりげなくギャルちゃんから離れて私の横に来る良平くん。



「ちぃといる時間増えんね」

「えと・・・イヤ?」



学校じゃなくても一緒にいるのに、クラスも一緒なのはイヤだったりするのかな。



「なんで?」

「え、だって・・・ずっと一緒にいるから・・・」

「ちぃは、嫌なの?」



イヤなわけないよ~・・。


むしろ




「嬉しい」




に決まってる!!


って、私何いってるの~・・・!


幼馴染にこんなこと言われたって良平君嬉しくないよ。




「ん、俺も。ちぃと一緒だと嬉しいよ?」

「へっ!?ほ、ほんと!?」



い、いいいいま


嬉しいって言った!?




「あーあ、やってらんないわ。あたし先行くわよ、千愛」




あ、弥生ちゃんが手をヒラヒラさせながら行っちゃった。