肌を突き破る重たい音が聞こえてきた・・・のに、痛くない?
どうして・・・
「武くん!!嘘、やだ・・武くん!!」
「死ぬほどの傷じゃねぇ、騒ぐな・・・よ」
男の子をかばった私をさらに武くんが庇うように覆いかぶさっていてくれたんだ・・・。
武くんのわき腹からどんどん血が流れでてきてる!
どうしよう、私のせいだ・・・。
「おねぇちゃん、うしろ!!」
武くんの傷口を必死におさえていたら、男の子が私の後ろを指さした。
「えっ?」
首だけを振り向かせれば、まだ通り魔男の人がそこにいて刃物を振りかざしてた。
「きゃああっっ!!」
武くんを連れてこの場を逃げるわけにもいかないし、もう何も考えられないよっ!
「くそっ」
額に汗を浮かせた武くんが私のことを引き寄せて抱え込んだ。
もうこれ以上武くんに怪我させるわけにはいかないのに!!
バキッ!!!
武くんを振りほどいて前に立ちはだかろうとした瞬間、目の前にいた通り魔は吹っ飛ばされていた。
「良平くん・・・」
通り魔から守ってくれたのは、良平くんだった。
「ねぇ、俺のちぃにそんな危ないもの向けておいて・・・ただで済むとおもってないよね?」
良平くんは地面に倒れこんだ通り魔から刃物を奪い取って、腕を固定して押さえつけた。
良平くんが来てくれなかったら、私と武くんは今頃・・・
そう思うとゾッとする。
「武くん!!救急車呼ぶから、待ってて!!」
どうしょう・・・武くんの顔から血の気が引いちゃってる。
私のことをかばったせいで・・・。
「ちぃ、考えてることは大体分かってるよ。とりあえず落ち着いて。救急車はもう見てた人たちが呼んでくれたみたいだし、警察も来たから大丈夫だから」


